アオリイカ釣り

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アオリイカ釣り

初めて「アオリイカ釣り」を知ったのは、かれこれ以前になります。桜が満開の4月、
転勤そうそう仕事でトラックの助手席に乗ることがありました。

その時の運転手が無類の海釣り好きで、そこで「アオリイカ釣り」の話を聞きました。
 
釣りの話になると熱が入り横を向き、運転そっちのけで大きく相づちを打ち、
話に夢中になってしゃべります。その他は無口でしたが。

彼の名前はゲンさん。後に私のモイカ釣りの師匠になる人です。

「今、何釣りに行きよる?」と聞くと「イカ!」と間髪を入れず答えました。

「イカ?夜に舟で釣るんかい?」と問うと、

「いや、昼からやる。」と言います。

「昼から?昼にイカが釣れたりするんかい。」と聞くと、「食う」と答えます。

「ウソやろ。イカは夜やろ。」と言うと「イヤ、食う。2kgくらいのヤツが食う」。「2キロ!」、
その大きさを聞いて絶句しました。
 
そして、頭がグルグルと激しく釣りモード回転し始めました。

「なんちゅう太いイカじゃ。名前は」と聞くと「モイカ」と答えました。
後で知ったのですが、瀬戸内ではモイカと呼びますが、アオリイカのことでした。

2kgのイカと聞いたらもうとまりません。

想像を超えるデカイカに話だけで興奮しました。

「どないにして釣るん?」とシゲさんに聞くと、
「スットン釣り」と答えました。

聞きなれない釣り方に想像を巡らせますが、皆目見当が付きません。

あれこれ説明してくれますが、今ひとつピンときません。

なおしつこく興味津々で聞いてくる自分に「そいじゃー、ものは試しじゃ、いっぺん一緒に行って
みんかい」と誘ってくれました。

「ほいじゃー、いっぺん行ってみるかのう」と言いましたが、内心「やった!」と小躍りしていました。

釣行日程を決め、当日を迎えました。4月中旬、少し雲に覆われた暖かい日でした。
言われたとおり投げ釣り竿と5号を巻いたリールを持参。ただそれだけでした。 

途中に魚屋で20センチほどのゼンゴアジを10匹購入。
由良半島の付け根、国道沿いの防波堤に到着した。午後3時ころでした。

到着そうそうゲンさんは、ゴミかごからジュースの空き缶3個を拾ってきました。

そして、イカ釣り仕掛けを始めました。仕掛けと言えるほどのものではありませんでした。、

魚屋で買ってきたゼンゴアジのシッポを道糸でグルグル縛り、3号の噛みつぶしオモリを
シッポの付け根に付けるだけのものでした。

これを投げ竿で遠投します。リールはフリーにしておきます。これだけです。

それと、先ほど拾ってきた空き缶に道糸を巻き付けておきます。
イカがのった時の鈴の役目のようです。

ただ、取り込みの時の仕掛けをゲンさんに初めて見せてもらったとき、
思わず笑ってしまいました。

「こんなんで本当にイカ採れるんかい?」ゲンさんは、真顔で「採れる」とだけ答えました

それは、なんとも奇妙な仕掛けでした。道糸に取り付けて使うように出来ていました。

イカ針仕掛け(スットン)は、イカがアジにのったら、道糸に掛け、まるでロープーウエイの
ように落とし込んでエサのアジの所まで運ぶ仕掛けらしいです。

関西の方では「ヤエン釣り」として人気の高い釣法であることは後で知りました。

これが、「スットン釣り」の仕掛けを見た最初でした。



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