礒釣り

礒釣りのページ

礒釣りと亀の手

礒釣りは、南宇和郡西海町が有名です。

礒釣り
は西海がメッカです。

国道56号線を高知県宿毛市に向かって南下し、
途中、御荘町より有料道路の西海スカイライン(日本一短い有料道路)をとおり、
宇和海に突き出た半島の町に出ます。

ここが西海町です。

四季を通して釣れる魚が豊富で、武者泊、内泊、中泊、外泊には渡船屋が軒を並べています。

ここから有名な礒に渡してくれます。グンカン、ナカバエ、コケの西、デッパリ、イキツキ等
大小さまざまの礒が点在しています。

初めて磯釣りをしたのは西海でした。先輩に連れられて渡船に乗りました。

ハマチが回遊する時期でありました。

先輩はサオからリールなどの道具や磯グツまで全部用意してくれました。
ただ、釣れたハマチを家に持って帰る時の入れ物に衣装ケースを持参するよう言われました。 

私は2ケース持って西海へ向かい
ました。

途中、宇和島で車に乗り合わせ、

釣り道具屋でエサのオキアミ、氷、

仕掛けなどを補給して再度西海の

外泊を目指しました。

その当時は昼に磯に上がらせてくれ、翌日の朝、渡船屋の船頭が迎えに来てくれました。
「夜釣り」が出来ました。

その後、磯釣り客が遭難・死亡する事故が続き、磯で夜通し釣る「夜釣り」が出来なくなりました。

初めて渡船に乗り込みましたが、かなりのハイスピードで磯を目指しました。
釣り客は、釣り情報を交換し合っています。

「一昨日、デッパリに上がった客は3人で20本釣ったがな。」
「もう、70、80センチが入れ食いじゃったそうな。」などと話しています。

「今日は海がちーと荒れとるが、よう船が出たなー」と不吉な話もしながら。

「早う、飛び降りや!」と船頭がマイク片手に怒鳴ります。
磯に着いた渡船は、舳先から次々に釣り客を降ろします。

渡船は荒れる海に3メートル程上下しています。皆タイミングよく磯に降りて行きます。

自分の番になると恐怖で足がすくみます。
「早う、飛び降りんかい」と船頭がまた怒鳴ります。

目をつぶって思い切り飛びました。何とか無事に降りましたが、心中穏やかでありませんでした。

普段は瀬戸内の穏やかな海で釣りをしているので、この外海の荒々しさに肝を冷やしました。

「遭難・死亡」の文字が頭をかすめます。実際、その夜は波が激しく磯にあたる音で
一睡もできませんでした。従って、磯釣りの最初の印象は最悪でした。

夕方の地合をねらってサオを出しましたが、波が益々高くなり釣りにならなくなりました。
そうそうに釣りを切り上げました。


翌朝、穏やかになった礒場で先輩達は磯の岩場で何か採り始めました。「カメの手」でした。

岩の裂け目にビッシリと付いていました。大きさは親指を一回り大きくした
くらいでありましたが、初めて見る大きさでした。

瀬戸内の岩場にも付いていますが、こんなに大きいのはいません。

これを特製の直径1センチ程の鉄棒の先をヘラのようにした道具を使って
採っていきました。

最初、魚のエサにでもするのかと思っていましたが、ゆでて食べると言います。
ビックリして食べ方を聞きました。

カメの爪のような貝殻の下にある貝の身を食べると言います。

実際、円柱状の皮を剥ぐと貝独特の白ピンク色の身が出てきます。
形はゴルフのテイーに似ています。そこを食べると教えられました。

ゆで方は、真水にカメの手を入れて沸騰させるだけです。少し塩か海水を加えて塩加減は
好みに合わせてします。食べると貝独特の甘みと潮の香りがなんとも言えず美味でした。

ビールのつまみに最高です。

魚は釣れませんでしたが、最高のお土産が出来ました。
たくさん家に持って帰り家族に食べさせました。大人気でした。

カルビー菓子のように「やめられない、止まらない」状態でした。

その後、瀬戸内海の小島にも大きなカメの手があるのを見つけ、
船釣りの合間には必ず採って帰るのが定番になりました。

カメの手採りの道具はステンレス制の特注を使っています。

カメの手を採るたびに、初めて行った磯釣りのことを思い出します。





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