シロギス

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シロギスとムール貝

シロギスは夏が旬の魚です。

ムール貝は何?と思われるにちがいありません。

しかし、私の中では繋がっています。
シロギスとムール貝の取り合わせは小学生の頃に遡ります。

小学生の頃、両親にグラスロッドとリールを買ってもらいました。
近所の兄貴格の中学生たちと海釣りに出掛けます。ころは7月の夏休み。

サオとリールを持って海にイチモクサン。一日中、海で遊びます。

海岸沿いの海には、メゴチ、ギゾ(キュウセン)、手の平カレイ、そして本命のシロギスがいました。

このシロギスは、どういうわけかステータスが高かったです。

川の流れ込む砂場でゴカイを掘りエサにしました。投げ釣りで遠投しあたりを待ちます。

少しずつリールを巻き上げてきます。「クルクル、クルクル」と魚信があります。
シロキスが面白いように釣れます。

やがて潮が止まり干潮になる頃、年長の中学生達は、素潜りをしてサザエやアワビを採ります。
年少組は、岩場でカキやトコブシ、そして「ムール貝」を採りました。

ムール貝と書きましたが、その当時は「瀬戸貝」と呼んでいました。

長じて岩場で採って食べた貝がムール貝の仲間の「イガイ」であると知りました。

ここ日本で繁殖した「イガイ」のルーツは外国の貨物船や客船が運んできたとされています。

繁殖力が旺盛で日本中の海岸に生息しています。ここ瀬戸内海でも生息しています。
それなのに、この貝がムール貝であることはあまり知られていません。

この貝は、足糸と呼ばれる麻糸の束のようなもので岩場に付着しています。

なかなか採れないようになっています。
軍手をはめ、ハサミで切って採ります。バケツに4杯も5杯も採ります。

それを焼いて食べるのです。乾いた流木を集め、石を集めて炉を作り火をおこすます。

拾ってきた中古のトタン板の切れ端をのせてバーベキューセットの完成です。

トタン板に「ムール貝」をのせて焼きます。
しばらくすると「ムール貝」は口を開け、汁がしたたり、
トタン板がジュッと鳴ります。味付けは何もしません。貝の口が開いたら食べ頃です。

アツアツの「ムール貝」をフーフー冷ましながら食べます。
見よう見まねで自分も食べてみます。礒の香りと丁度いい塩加減の貝は絶妙なうまさです。

何個も何個も食べれます。空きっ腹に染み渡る味です。

サザエもアワビもキスもギゾもみな焼きます。魚は持参した塩を少し振りかけて食べます。
どれも少しずつ食べますが、キスの塩焼きは抜群に旨かったです。

それまで、キスよりギゾを好んでいたので、キスは食べませんでした。
食わず嫌いでした。クセがなく本当に上品な味です。

身は透き通るような透明感があり、貴婦人のようです。

刺身も塩焼きも美味しかったです。特に塩焼きは絶品でした。

この時に食べたキスとムール貝の味が、いまだに忘れられません。

そして、毎年7月にはキスの船釣りに出掛けます。
干潮になると、沖の小島の礒に船を着け、ムール貝を採ります。

山のように採ります。数十年前の少年時代と同じようにワクワクしながら。

どんなに採っても食べてしまいます。残ったことは一度もありません。
家に持って帰り、庭で家族とバーベキューもします。

焼けたムール貝を食べながら飲むビールは最高です。他に何もいらないくらいに。

そして、キスの塩焼きを頬張ります。これまた絶品。
家内がキスの天ぷらを出るころには、ビールがほどよくまわって最高潮になります。

家族で旨い海の幸を頂く。海の幸に乾杯!海釣りに乾杯!です。





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